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「自由・平和・民主主義を愛し戦争法案に反対する名古屋大学人の会」

世話人・呼びかけ人有志一同

 

憲法違反の安全保障法の制定に強く抗議する

 

2015年9月23日

 

 

 9月19日未明に、憲法違反の安全保障関連二法が、我々を含む多くの学者・研究者、学生、良識ある各層の市民、市民団体、労働組合、そしてマスコミの強い反対にもかかわらず、参議院で可決され制定された。私たちは、この暴挙を断じて許すことができない。

 

 第1に、同法は、集団的自衛権を認める余地のない憲法9条に明確に反しているからである。同法は、日本を他国の戦争に加担させることを可能にする法律であり、戦後私たちが必死になって確立し維持してきた平和主義を破壊するものである。

 

 第2に、同法は、立憲主義を完全に否定し、基本的人権に制約を加えようとする自民党の憲法改正に先鞭を付けるものである。国民主権に基づく近代立憲主義憲法を否定する内容の悪法の制定は許されない。

 

 第3に、今回の法制定では、会期は戦後最長とされたものの、国会での政府の答弁の曖昧さ、一貫性のなさは明らかであり、ときには答弁に窮して審議が中断される事態が多発した。そもそもこの法は、多くの重要な法律を一本に纏め、分かりにくい上に、政府与党は説明能力を欠いていた。こうした法律を、たまたま国会で多数を握っている(それも小選挙区制というマジックに助けられて)ことを利用し、国民の意思に完全に反して、数の力によって制定したものである。同法は、こうした審議過程の面でも民主主義に反していると言える。

 

 第4に、同法の制定に至る過程では、マスコミへの誘導や威圧(法制定までの市民の動きをほとんど報道しなかったNHKの例が典型である)をはじめとして、武器輸出3原則の放棄、国立大学に対する国旗掲揚・国歌斉唱の強制の示唆等、表現の自由、報道の自由、学問の自由そして平和主義に対する政府の侵害が多発していた。同法は、こうした権威主義、反民主主義の性格を持つ政策の一環として制定された。その意味では戦後民主主義の危機を体現するものである。

 

 以上の理由から、私たちは、戦争法とも言える安全保障関連二法の制定に強く抗議する。

 

以上 

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