top of page

趣意書

 名古屋大学は学術憲章において、「自由闊達な学風の下、人間と社会と自然に関する研究と教育を通じて、人々の幸福に貢献することを、その使命とする」としています。そのために勇気ある人を養成することも約束しています。また、戦争に協力する研究や教育を行わないことを謳う平和憲章を持っています。私たちはこうした高邁な精神に従い、現在、国会で平和安全法制という名の下に審議されている戦争法案に対し、そしてそれを取り巻く様々な立憲主義と民主主義あるいは自由の破壊の動きに対して明確な態度表明を行うべく「自由・平和・民主主義を愛し戦争法案に反対する名古屋大学人の会」を結成しました。これらの動きが、名古屋大学が長年にわたって追求してきた人々の幸福や社会の幸福を破壊してしまうと考えるからです。また、大学の自治や学問の自由が危険に晒されてしまうと危惧されるからです。

 

 現在、同様の運動は、全国各地で広がりを持って展開しています。学者の会の法案反対署名者は日々増加していますし、若者が主体のSEALDsが主催する戦争法案反対の叫びとデモは飛躍的な広がりをみせています。日本弁護士連合会や各地の弁護士会は、戦争法案の廃案に向けて全力で取り組んでいますし、宗教界も又然りです。多様な市民運動も活発になっています。各地の大学での運動も開始され、本格的に展開されています。私たちは、自由と平和そして民主主義を選び勝ち取ってきた者として、またそうした伝統を築き上げてきた名古屋大学の一員として、この流れに棹さし、運動に積極的に関わっていく使命があると考えています。

 

 会としては今後、以下のような活動を提起していきます。

 ①戦争法案に反対する意思表明を行うとともに、反対の運動を展開していく。

 ②会結成の呼びかけ人と賛同者を、大学構成員各層(教員、職員、学生等)に、現役と退職の有無を問わず、また思想信条の違いを問わずに一層広げていく。また、広く社会に対しても賛同者を募っていく。

 ③戦争法案に関連して、あるいはその周辺で現在起きている、大学での国旗掲揚・国歌斉唱の強要といった大学の自治・学問の自由への侵害、マスコミへの弾圧や脅かしといった民主主義への挑戦、第2次大戦にまつわる歴史認識等の問題等についても議論し発言していく。

 

                             2015年8月1日

bottom of page