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名大アゴラ プログラム

SCHEDULE

憲法運動と憲法9条論

名大アゴラ 第21回 愛敬 浩二 氏セミナー

ある著名な法哲学者から、私の憲法9条論は「学者の理論」ではなく「運動家の議論」だと批判されている。その批判は一面において正鵠を射ている。私の憲法9条論は、湾岸戦争時の自衛隊海外派遣問題以来、その時その時の憲法問題への実践的な関わりの中で、私が学び取ってきたものだからである。これまでの私の「学び」を振り返ることで、現在の改憲情勢の下での憲法9条の意義と憲法9条論の課題を明らかにしたい。

Nov 08, 2019

封印される核被災と増長する核抑止論

名大アゴラ 第20回 高橋 博子 氏セミナー

米核戦略の中では、原爆や水爆による被災者は、将来の核戦争準備のための調査対象であった。被害の実態を隠す一方で、核兵器の「威力」を強調し、核抑止論を展開した。日本政府はそれに追随し、さらに核保有は憲法違反ではないとしている。本講演では、核被災の実態を隠し、核抑止論を喧伝する日米両政府の問題を歴史的に検証したい。

Oct 25, 2019

「代替わり」と今後の象徴天皇制

名大アゴラ 第19回 河西 秀哉 氏セミナー

明仁天皇による突然の退位の意向表明によって「代替わり」がなされました。なぜ彼は退位したのか。象徴天皇制の歴史を見ることでその意味を明らかにし、今後のあり方を考えます。

Oct 09, 2019

アカデミック・キャピタリズムと文系・理系  イノベーション政策の歴史から考える

名大アゴラ 第18回 隠岐 さや香 氏セミナー

二十世紀末から世界各地で大学の改革が止まらない。改革が知の商品化をもたらし、市場化しやすい分野とそうでない分野に大学は引き裂かれているとの批判もある。この現象を駆動しているものは何か。背景にあるイノベーション政策の展開との関わりから考察してみたい。

Jan 25, 2019

米中関係のなかの日本、日本のなかの米中関係

名大アゴラ 第17回 定形 衛 氏セミナー

今日、米中関係は国際秩序のありよう、そして国際社会の今後の進むべき方向性を大きく規定している。報告では、トランプ大統領の「アメリカン・ファースト」戦略と習主席の「一帯一路」路線に示される中国の新たな国際秩序観の間の相克と軋みに着目し、グローバル時代における米中関係の意味と行方について考えたいと思います。また、このような米中関係の進展のなかにあって日本の進むべき道はどこにあるのか。歴史的、地政学的に隣人同士でありつづける日中関係、また太平洋を隔てた隣国米国と「緊密な関係」を維持し続けてきた戦後の日米関係。この両者のあいだで日本外交は自らの位置をどのように定め、国際的な使命と役割を確立していくのか。日本外交が国際政治の従属変数ではなく、独立変数として自らの使命感と存在感とを示すチャンスが訪れていることを私たち一人ひとりが自覚し、躍動感あふれる日本外交を作りだしていくことが何よりも求められている。

Dec 14, 2018

「憲法改正」とデモクラシー ― 立憲主義と民主主義のあいだ ―

名大アゴラ 第16回 大園誠氏セミナー

近年、「憲法 改正」を目指す政治勢力がその動きを加速させようとするなかで、憲法と政治をめぐる問題がいま問われています。国民投票法、特定秘密保護法、安全保障関連法など、次々と憲法に関連する立法がなされる一方で、肝心のわれわれ国民は置き去りにされているようにも見えます。そこであらためて、立憲主義と民主主義の関係、あるいは「憲法改正」とデモクラシーの関係について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。「憲法改正」問題を「他人事ではなく自分事」として受け止めるために。

Nov 23, 2018

Brexit以後のイギリス政治と代表制民主主義政治の将来

名大アゴラ 第15回 武田宏子氏セミナー

2019年3月に予定されているイギリスのEU離脱に向けて、現在、離脱交渉は最終局面に入っています。Brexitを巡るこれまでの政治過程では、イギリス政治やEUに存在する根深い分断が詳らかにされた一方で、そうした分断を架橋するための方策を探る政治的な試みも観察されています。Brexitの経験を通じて、今後のイギリス政治がどうなっていくのか。この問題を考えることで、不確実性と分断に疲弊する現代の代表制民主主義政治を立て直すきっかけを探してみたいと考えています。

Sep 28, 2018

共同社会(サムフンズ)の実験室――デンマークの場合

名大アゴラ 第14回 小池直人氏セミナー

デンマークはどうして世界一仕合わせな国と言われているのか。グローバリズムが吹き荒れる中で、なぜ良好な社会関係が形成されているのか。北欧型福祉国家の考案をはじめ、デンマーク近代の歴史的、思想的独自性を「共同社会」(サムフンズ)の視点で考えてみたいと思います。​

Jul 27, 2018

日朝交流史から観る日韓関係

名大アゴラ 第13回 池内敏氏セミナー

日本と韓国に存在する史料から、漂流・漂着事件や外交僧・外交機関、竹島(鬱陵島)・松島(竹島/独島) をめぐる日朝交渉などについて話をしたい。例えば日朝間の漂流記は わずかしか伝来しないが、近年発掘された漂流記を如上の事情聴取記録と比較検討することで、漂流事件の背後に隠された事実が明らかになる。​

Dec 15, 2017

フェイク・ニュースとポスト真実の時代

名大アゴラ 第12回 日比嘉高氏セミナー

 嘘を付き続ける政治家が当選し、虚偽の主張を掲げた党派が勝利し、フェイク・ニュース(デマ・ニュース)がネットで拡散する。嘘が、嘘だと露見しても、相応の報いを受けることなく事態は続くーー。
 こうしたことが日本だけでなく、さまざまな国で起きています。真実がかつてのような力を持ち得なくなってしまった時代、それを「ポスト真実」の時代と呼びます。この言葉は、イギリスのEU離脱の国民投票の際に注目度が上がり、アメリカでトランプ大統領が選出された選挙戦のなか、そして選出後の騒ぎの中で脚光を浴びました。日本の状況もまさにその真っ只中と言えるでしょう。
 なぜ嘘がまかり通るのか。このセミナーでは現代のネット環境や、事実軽視の風潮、感情が優越する状況、社会的な分断の感覚などに注目しつつ、その背景を探ります。またあわせて、騙されないため、分断を乗り越えるための現代的リテラシー(読み書き能力)についても考えます。

Oct 08, 2017

立憲デモクラシーの危機を超えて

名大アゴラ 第11回 長谷部恭男氏・高山佳奈子氏セミナー

 集団的自衛権行使の「部分的」解禁を政府解釈の変更で強行した安倍政権は早くも、2020年(東京オリンピック)までの9条改憲の実現を追求し始めています。戦力不保持を定めた9条2項を残したまま、3項を追加して自衛隊の合憲性を明確化する案だと伝えられていますが、このようにご都合主義の改憲は、日本国憲法の整合性・一貫性(integrity)を徹底的に破壊する恐れがあります。

 「共謀罪法」の強行採決は、内容・手続の両面で立憲主義への重大な攻撃といえます。テロ対策の内容を含まないのに「テロ等準備罪」を処罰するとする虚偽の呼び名は、民主主義の前提を掘り崩すものです。諸外国には設けられている、人権侵害を救済する機関も日本にはなく、国連特別報告者から疑義が出ています。

 問題の本質を捉え、真実を広く伝えていくことが、立憲主義回復のこれからの運動として求められています。「アゴラ」ではこの課題に応えるため、最適な講師を揃えました。ぜひご参加下さい。

Jul 21, 2017

教育勅語の何が問題か?

名大アゴラ 第10回 石井拓児氏セミナー

 森友学園の用地不正取得問題に端を発し、さらに同学園で「教育勅語」を暗唱させる指導が行われていたことが明るみとなったことをうけ、政府は一連の不正問題を解明しようとしないばかりか、閣議決定によって「憲法・教育基本法に反しないような形で教育に関する勅語を教材として用いることまでは否定されない」とする答弁書を作成しました。このことは、現政権が意欲を見せる「憲法改正」と連動するものであることは明らかですし、逆に、現政権の改憲戦略がいかに危険なものであるかを示すものでもあります。
 あらためて総力戦体制への動員のために用いられた教育勅語の歴史的性格についてお話します。教育勅語の内容を、みなさんといっしょに読み解きながらわかりやすく解説する予定です。奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

Apr 28, 2017

ぼくは戦争の匂いを嗅いだ

名大アゴラ 第9回 辻真先氏講演会

 戦争という非日常がどんな手順で庶民の日常に浸潤してゆくか。
 昭和十二年から二十年にかけて、名古屋で生まれ育った少年が、神国日本の少国民から敗戦国の罹災者になるまで、なにを見てなにを聞いてなにに裏切られたか、そのときどきの記憶を呼び覚ましながら、お話したいと思うのです。
 火にあぶられた被害者意識の話より、シンガポール陥落のお祭り気分であった加害者意識、皇国に仕える労働者意識、やがて度重なる空爆で呆然自失となる経緯を、暮らしのディティルから掘り起こし、伝えられたら幸いです。

Mar 19, 2017

共謀罪について

名大アゴラ 第8回 平川宗信氏セミナー

これまで何度となく国会上程されながら廃案になってきた「共謀罪」が、「テロ準備罪」と名前を変えて国会上程を図る動きがある。国会で法務大臣が答弁に詰まるほど政府は不勉強で、内容もこれまで批判されてきたことが克服されていない。人間の尊厳と仏教精神を尊重する視点で刑法を研究しておられる平川先生に、改めてこの犯罪の問題点をお話しいただく。

Feb 17, 2017

民主主義と公共圏

名大アゴラ 第7回 安藤隆穂氏・本秀紀氏セミナー

2017年2月18日13:30時から 「立憲主義・民主主義 と公共圏」

安藤隆穂(中部大学教授、名古屋大学名誉教授)「公共圏の歴史的文脈」 

本秀紀(法学研究科教授)「路上の民主主義の現在的文脈」 

Dec 12, 2016

辺野古基地問題を法治主義と 地方自治の視点から考える

名大アゴラ 第6回 紙野健二氏セミナー

辺野古基地問題が沖縄県と国との訴訟として争われて一年余、めまぐるしいせめぎあいを経て、九月十六日に高裁判決が出ました。やみくもに基地建設をすすめようとする国の行動には、憲法上も政治的にも大きな疑問がありますが、この判決は、合理的な法論理を越えて国の主張を上塗りするもので、司法への大きな失望を招いています。この報告では、ここで問われた法治主義とは何か、地方自治とは何かを掘り下げて考えます。

Nov 07, 2016

科学の軍事利用を考える 研究費、学問の自由、デュアル・ユース(仮)

名大アゴラ 第5回 池内了氏講演会

自民党や防衛省は、大学等との軍事共同研究の予算を来年度から大幅に増額する方針を固めています。運営費交付金や科学研究費などの通常の研究予算を削減しながら、軍事研究費だけは大幅に増額するなど、愚策の極みです。昨年度の集団的自衛権の行使へ舵を切った安保法制の制定から始まり、経済成長のために軍需産業を利用する政策、そして研究分野にも軍事色を強化してくる今の政権について、その問題を明らかにするとともに、大学での学問や研究のあり方を考えてみたいと思います。

Jul 22, 2016

戦争する国の〈恋人たち〉― 銃後教育と文学 ―

名大アゴラ 第4回 榊原千鶴氏セミナー

昭和十年代、ある古典が若者に愛読されました。若者たちは、その古典に描かれたひと組の男女の姿に、戦時に生きる自らの未来を重ね合わせようとしました。けれどその営みは、後顧の憂いなく戦線に赴くこと、銃後のつとめを果たすこと、という生き方を良しとする教育的機能と背中合わせでした。文学を感化教育に動員することで、現実の、決して〈美しく〉はない死を隠蔽し、〈感動〉の空気を醸し出す。かつて用いられた手法を振り返りながら、〈空気〉を読まず、いかに抗っていくか。みなさんとともに、考えてみたいと思います。

Jun 22, 2016

18歳が選挙権を持つ意義

名大アゴラ 第3回 本秀紀氏セミナー

7月の参院選から18歳も投票できるようになります。これは日本の民主主義にとって、どのような意味を持つでしょうか。

他方で、高校生のデモへの参加には届け出が必要だなんて話も出ていますが、これは一体どういうことでしょう?

選挙権の歴史と意義を振り返りながら、比較の視点もまじえて考えてみたいと思います。

May 09, 2016

戦争と学問について語る

名大アゴラ 第2回 益川敏英氏 講演会

名大アゴラ 名古屋大学人の会 連続セミナー の第二回目は名古屋大学特別教授、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英さんの講演です。
日 時  5月10日(火)18時~20時(開場:17:30)
場 所  IB電子情報館大講義室(3階)

Apr 15, 2016

大学の〈知〉の現在を考える

名大アゴラ 第1回

安藤隆穂さん(中部大学教授・名古屋大学名誉教授)「大学とは何か 歴史に尋ねる」
日比嘉高さん(名古屋大学准教授)「〈開かれている〉ことの責任と楽しさ 人文学の危機を超えて」

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